BGM:きよしこの夜

 第60回 アンサンブル・フローラ コンサート

Suntory 2017

エレクトーン de  クリスマス


Ensemble Flora Christmas Concert
サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
12月10日(日)

開演 午後1時30分 (開場 午後1時)

 入場料 \3500(全席自由)  六本木一丁目・溜池山王駅 下車



チケット申し込みはこちらから



              第一部☆

1. そりすべり (Leroy Anderson)

作曲者のルロイ・アンダーソンは、「ワルツィング・キャット」や「シンコペイテッド・クロック」など親しみやすいメロディーの小品をたくさん作曲しています。特にパーカッションの使い方が面白い作品が多いので、器楽合奏などにもよく使われています。 1948年に書かれたこの「そりすべり」も軽快なリズムに乗り、思わず口ずさんでみたくなるような明るい楽しい曲で、クリスマスの定番としておなじみですね。 勢いよくかけて行く馬のそりのベルや、ムチの音、そしてトランペットでの馬のいななきなど、ユーモアたっぷりの効果音がたくさん入っていますので、生き生きとした音の情景描写をお楽しみください。


2.カッチーニのアヴェマリア (G.Cuccini)
.
アヴェマリアの曲は様々の作曲家が趣向を凝らして作っていますが、中でもシューベルト、グノー、カッチーニの作品が「三大アヴェマリア」と称され、親しまれています。

カッチーニはフィレンツェのメディチ家の宮廷に従事し、テノール歌手として働きながら、作曲活動を続けていたといわれます。この曲の歌詞は、「アヴェマリア」のみです。それゆえにいっそうこの美しいメロディーが浮き立って聞こえてくるのでしょう。聴くたびに気持が癒され、心の中まで清らかに透明になっていくような気がします。

3.赤鼻のトナカイ (J.Marks)

クリスマスシーズンになると、楽しく口ずさみたくなる名曲ですが、この曲の誕生の影には、ある家族の物語がありました。1949年にジョニー・マークスよって書き下ろされた楽曲ですが、実は義理の兄ロバート・メイが娘に語り聞かせたストーリーが原点になっています。

☆1930年代のシカゴは、世界恐慌の嵐が吹き荒れていました。そんな中、ロバートは、病に冒された妻と、幼い娘を抱えて苦しい生活を送っていました。12月のある日、寝たきりの母について、娘が「どうして私のママはみんなとちがうの?」と訪ねました。ロバートは、人と違うことは素敵なことだと説明しようと、必死に想像力をはたらかせ、赤い鼻を持っている不思議なトナカイのお話しを思いつき、娘に語って聞かせました。

『赤鼻のトナカイ・ルドルフは、自分がみんなと違う赤い鼻なので、いつも恥ずかしく思っていました。あるクリスマスの夜、霧が深くて何も見えずサンタクロースが困っている時、ルドルフのピカピカ光る鼻が役に立ち、トナカイのそりの先頭を走り、それからは、世界中でクリスマスの人気者になりました。』
というストーリーは、子供達に夢と希望を与えました。そしてこのお話は、1939年に絵本として出版され、それが600万を超えるベストセラーとなりました。さらに、義理の弟のジョニー・マークスが、1948年にこのストーリーをもとに作詞作曲をし、翌年ジーン・オードリーの歌でレコーディングされました。ジーンのレコードは200万枚を売り上げ、ビルボードチャートで1位を記録しました。その後も時代を超え、ロングセラーとして「サンタが街にやってくる」「ジングルベル」と並ぶ、3大クリスマスソングとなりました。これは、明るいクリスマスソングに秘められた、心の温まる実話です。☆
 今日の演奏は、その人気者のルドルフが、クリスマスに突然ディズニーランドにやって来たので、それはもう、びっくり箱をひっくり返したような大騒ぎ!そんな楽しいアレンジをお楽しみ下さい。


4.クリスマス・ソング (Mel Tome & Robert Wells )

天才ジャズシンガーで作曲家、そしてドラマーでもあった、メル・トーメと、ピアニストのロバート・ウェルズのコンビが1946年に作った曲。しかしこのクリスマスソングは、何と夏の暑い日に、涼を取るために、寒い冬の曲を作ったというから驚きです。当時メル・トーメは19歳、ロバート・ウェルズは22歳といいますから、その天才ぶりがうかがえます。この曲はその年に、初めてナット・キング・コールが歌い、大ヒットとなり、クリスマスの定番となりました。この他にも、ルイ・アームストロング、ビング・クロスビー、サミー・ディヴィス・ジュニア、アンディー・ウィリアムスなど、多くのミュージシャンが歌っています。
そして素晴らしい挿絵をつけて、児童向け絵本も出版されました。

☆The Christmas Song : Chestnut Roasting on an Open Fire ☆
       Mel Torme (Author), Robert Wells (Author), Doris Barrette (Illustrator)


この様に、クリスマスソングは世界中の多くの大人からも子供からも愛された、素晴らしい曲です。
今日はピアノとエレクトーンのアレンジでお楽しみ下さい。


5.クリスマスソング・メドレー

クリスマスの絵本を開くと、だれもが心に浮かぶメロディー、幼いころのクリスマスの楽しい思い出がよみがえって来る…。そんな曲を楽しいメドレーにしてみました。まず1曲目は、教会の鐘の音と荘厳なオルガンの響きで始まります。そして色々な楽器が入れ替わり登場し、曲ごとに雰囲気がどんどん変わって行きます。クリスマスプレゼントの箱を、次々と開けて行くような、ワクワクした楽しいアレンジにしました。
☆ひいらぎかざろう〜ジンブルベル〜牧人ひつじを〜サンタが街にやってくる ☆ 以上4曲のメドレーです



6.管弦楽のためのラプソディ (外山雄三)

日本の伝統的に歌い継がれている唄をメドレーにして、さらに日本的な打楽器のリズムを加えた華やかな曲です。今やフローラの海外公演の定番の曲となりました。原曲は外山雄三作曲『管弦楽のためのラプディ』ですが、さらに和楽器の面白さをアピールできるよう、新しい曲をメドレーに加え、フローラ風にアレンジした物です。他の楽器では真似の出来ない、エレクトーンならではの機能を十分に活かし、楽しいアイデアをたくさん盛りこんであります。曲は、にぎやかな拍子木の音で始まり、 次々と日本の民謡やわらべ歌などが、日本的な楽器の音色で演奏されます。
 あんたがたどこさ〜ソーラン節〜串本節〜馬子歌〜八木節 と続き、伝統的な日本のお祭り囃子や、尺八、三味線などの和の調べをお楽しみいただきます。


7. 美しく青きドナウ 
(J.Strauss U)

ウィンナーワルツの代名詞ともいえる名曲です。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでは正式なプログラムとして載ることはありませんが、アンコールとして「必ず」演奏される曲です。敗戦で沈んでいたオートリアの人々を励ますために作られたこの曲は、オーストリアの「第二の国歌」とも呼ばれています。オリジナルは男性合唱付きだったようですが、現在はオーケストラだけで演奏されることがほとんどです。曲は川の流れを上流から下流へと辿るような雰囲気があります。冒頭の弦楽器だけの美しいトレモロの助走から始まり、続いてホルンが静かに引き継ぎ、次第に変化していくワルツの中へと流れていきます。シュトラウス・ファミリーのワルツは、基本的に「序奏+いろいろなワルツの接続曲+終結部」という形をとっています。この枠組みを基本としていろいろな工夫が凝らされています。大体がとても早いテンポで演奏されますが、ウィンナー・ワルツの特徴は微妙に機械的ではない3拍子で、それが本場のウイーン気質だとも言われています。
 



第二部

1.眠れる森の美女 (P.I.Tchaikovsky)

「眠れる森の美女」は「くるみ割り人形」「白鳥の湖」と並んで、チャイコフスキーの3大バレエ音楽の一つです。1959年にディズニーが美しいアニメーションとして映画化し、幅広い年齢層に親しまれるようになりました。映画の中では、「いつか夢で」という題名で、登場しています。お話しのエンディング近くで、王子様と王女様が、この曲に合わせてワルツを踊ります。チャイコフスキーならではの、甘くてロマンティックなワルツを聴き下さい。 

2.ジュラシック・パーク (John Williams)

1993年に公開された、スティーブン・スピルバーグ監督による、SFX大作「ジュラシックパーク」のテーマ曲です。
1990年に出版されたマイケル・クライトンの小説を原作にした、映画シリーズです。
その後「ロスト・ワールド」「ジュラシック・パークU」「ジュラシック・ワールド」と このシリーズは続きました。
画面いっぱいに広がる恐竜達の、雄大な姿や、迫力ある映像に対して、この輝かしいグランドマーチ風のテーマ曲はとても美しく、話題になりました。ジョン・ウィリアムス作曲の、この壮大なテーマ曲は、どのシリーズでも共通に使われ、テレビ等でも、BGMによく使われていいますので、御存じの方も多い事でしょう。

 



3・「となりのトトロ」より さんぽ (久石 譲)

お馴染みスタジオジブリ映画で、1988年に公開されました。この映画は、昭和30年代前半の日本が舞台(埼玉県狭山市)で、田舎に引っ越してきたサツキ、メイ姉妹と、不思議な生き物「トトロ」との交流が描かれたファンタジー作品です。音楽は久石譲が担当しています。子供から大人まで多くの人々に親しまれているオープニングテーマ「さんぽ」は、かわいい歌詞が付いています。大きく手を振って、元気よく歩いてみたくなりませんか。

歩こう歩こう わたしは元気
歩くの大好き どんどん行(い)こう
坂道 トンネル 草っぱら
いっぽん橋に でこぼこ砂利道
くもの巣くぐって 下り道

(中川李枝子作詞)



4. 美女と野獣
フランスの民話をもとにして、1991年に制作された、ディズニーの長編アニメーション映画。
その作品は大ヒットし、ブロードウェイ・ミュージカルとしても、長く上演されています。
2017年には、ディズニーにより、実写版が制作され、アニメーションとは違う、魅力のある美しい映像と音楽に、大人から子供まで、多いの人が、魅了されました。美しい心をもつ女性ベルと、魔女の呪いで野獣の姿に変えられてしまった王子が、お互いの心が通じ合っていき、最後は真実の愛に、たどり着くという、ファンタジーロマン。挿入曲も、色々なアーティストによって、幅広いジャンルで歌われています。
音楽は作曲がアラン・メンケン、作詞はハワード・アシュマンと、ティム・ライスが担当しています。



5「コーラス・ライン」より ワン (Marvin Hamlisch)

マイケル・ベネット原案、振付、演出  マーヴィン・ハムリッシュ音楽。
1975年初演された、ブロードウェイミュージカルで、ワンはその中で歌われる曲です。
日本では「劇団四季」により上演され、大ヒットとなりました。
また1985年には、マイケル・ダグラス主演のアメリカ映画にもなりました。
コーラスラインとは、稽古で舞台上に引かれるラインの事で、役名のないキャスト達が、ダンス等でこれより前へ出ないようにと、メインキャストとコーラスを隔てているものです。

★N.Y.ブロードウェイのある劇場の幕があると、そこは新作のためのオーディションの真っ最中。演出家ザックの前で、いつかスターになりたいと夢見る17人の男女が、たった8人の採用枠に残るために、自分のすべてをかけているのです。しかし厳しいオーディションに合格しても、手に入るのは、「コーラス」つまり無名の脇役です。ショービジネスの世界に生きるダンサー達の、ひたむきな姿が描き出されているミュージカルです。
ワンは、軽快なリズムに乗って、つい一緒に歌いたくなるような歌詞ですので、一部をご紹介しておきます。

ワン ひとつの夢 胸にいだいて
ワン ほほえみもち 誇り高く
ひとつひとつ きらめきあえば
孤独など 忘れさせるよ
ワン ひとめだけで 誰も夢中さ
世界にひとりの人
ウー! すごい! その魅力に
みんな ただうっとり
みごとな人


6.「.レ・ミゼラブル」より 夢やぶれて〜民衆の歌 (Claude-Michel Schonberg)

ヴィクトル・ユーゴーの小説 「レ・ミゼラブル」 (ああ無情)を原作としたミュージカル。
1980年に、アラン・ブーブリル(作詞)とクロード・ミシェル・シューンベルグ(作曲)によって、パリで上演され、続いて1985年にロンドン版「レ・ミゼラブル」が上演されました。その後、この作品は世界中で大人気となり、多くの劇場で上演され、映画も作成されました。劇中に使われる音楽は、どれも美しく、心に残ります。

★主人公ジャン・バルジャンは、たった一つのパンを盗んだ罪による19年間の囚人生活から仮釈放された後、仕事にも付けず生活に困り、絶望のどん底にあった時、ある司教の真心に触れ、身も心も生まれ変ろうと決意します。その後、名前も変え、市長の地位にまで上りつめたジャンを、囚人時代を知っている警部ジャベールが、執拗に追い続けます。そして不思議な運命で結ばれた女性ファンテーヌと出会いますが、彼女は病気で亡くなってしまいます。その彼女から愛娘コゼットの未来を託されたジャンは、父親として彼女を守るため、ジャベールの追跡をかわして、パリへ逃亡し、フランス革命の激動の波に、のみ込まれていきます。


「夢やぶれて」
ジャン・バルジャンが、後に養女として引き取るコゼットの母ファンテーヌが、かつての楽しかった日々を思い出しながら切々と歌う、美しい曲です。


「民衆の歌」
その頃、パリでは、抑圧と貧困に苦しむ労働者と学生たちが、革命を決意します。自由で平等な社会を実現しようと、希望を抱いて戦う彼らによって、「民衆の歌声が聞こえるか?」と、力強く歌いあげられます。このナンバーはラストシーンで使用され、ミュージカルはクライマックスをむかえます。勇気を持って、みんなで力を合わせて前へ進んで行こう!という気持ちが、伝わってくる曲です。


7.サウンド・オブ・ミュージック・メドレー

1965年に公開された、ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画で、世界的に大ヒットし、日本人が一番愛したミュージカルとも言われています。初演は1959年のブロードウェイ・ミュージカルで、第38回アカデミー賞作品賞を受賞しました。舞台は1930年代の、オーストリアのザルツブルグで、妻を亡くした軍人と7人の子供たち、その家族のもとに現れた家庭教師との心温まる交流を描いた作品です.
ナチスの支配から逃れるためオーストリアから亡命し、トラップファミリー合唱団として活躍していた、実在の家族の物語です。ミュージカルの黄金コンビ、ロジャーズ&ハマースタインの最後の作品で、心と歌声を一つにして困難を乗り越える一家に、強く心をひかれた彼らの熱い思いから、数々の名曲が生まれました。

前奏曲〜サウンドオブミュージック〜ドレミの歌〜私のお気に入り〜すべての山に登れ の5曲をメドレーでお聴きください。



8.威風堂々「第一番」 (E.Elgar)

エルガー作曲 「威風堂々」 第一番は、イギリスの第二の国歌とも言われ世界的に親しまれている曲です。トリオの旋律は国王エドワード7世の耳をとらえ、歌詞をつけたら良いとの言葉により、Land and Hope and Glory (希望と栄光の国) と歌われるようになりました。コーラスをつけて演奏する事もあり、客席の方々も肩を組みながら歌い、大合唱になることもあります。最近は学校の卒業式や種々の式典等の時にも、よく演奏されています。希望に満ちあふれた未来に向けて、堂々と胸を張って生きて行こうという気持ちになる、スケールの大きい素晴しい曲です。テレビのコマーシャルでもよく使われ、かなりポピュラーになりましたので、ご存知の方も多いことでしょう。

(アンコール) ラデツキー行進曲  (J.Strauss T)

Suntory 2017  Home What's New