BGM: 赤鼻のトナカイ
アンサンブル・フローラ クリスマスコンサート
サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
2011年 12月4日(日)
13時00分 開場 13時30分 開演
入場料:¥3500(全席自由) 六本木一丁目・溜池山王駅 下車
☆☆☆☆
1.赤鼻のトナカイ
クリスマスシーズンになると、楽しく口ずさみたくなる名曲ですが、この曲の誕生の影には、ある家族の物語がありました。1949年にジョニー・マークスよって書き下ろされた楽曲ですが、実は義理の兄ロバート・メイが娘に語り聞かせたストーリーが原点になっています。
☆1930年代のシカゴは、世界恐慌の嵐が吹き荒れていました。そんな中、ロバートは、病に冒された妻と、幼い娘を抱えて苦しい生活を送っていました。12月のある日、寝たきりの母について、娘が「どうして私のママはみんなとちがうの?」と訪ねました。ロバートは、人と違うことは素敵なことだと説明しようと、必死に想像力をはたらかせ、赤い鼻を持っている不思議なトナカイのお話しを思いつき、娘に語って聞かせました。
『赤鼻のトナカイ・ルドルフは、自分がみんなと違う赤い鼻なので、いつも恥ずかしく思っていました。あるクリスマスの夜、霧が深くて何も見えずサンタクロースが困っている時、ルドルフのピカピカ光る鼻が役に立ち、トナカイのそりの先頭を走り、それからは、世界中でクリスマスの人気者になりました。』というストーリーは、子供達に夢と希望を与えました。そしてこのお話は、1939年に絵本として出版され、それが600万を超えるベストセラーとなりました。さらに、義理の弟のジョニー・マークスが、1948年にこのストーリーをもとに作詞作曲をし、翌年ジーン・オードリーの歌でレコーディングされました。ジーンのレコードは200万枚を売り上げ、ビルボードチャートで1位を記録しました。その後も時代を超え、ロングセラーとして「サンタが街にやってくる」「ジングルベル」と並ぶ、3大クリスマスソングとなりました。これは、明るいクリスマスソングに秘められた、心の温まる実話です。☆
今日の演奏は、その人気者のルドルフが、クリスマスに突然ディズニーランドにやって来たので、それはもう、びっくり箱をひっくり返したような大騒ぎ!そんな楽しいアレンジをお楽しみ下さい。
2.レクイエム(モーツァルト)より「怒りの日」
死者のためのミサ曲 「レクイエム」 ニ短調 K.626 より
レクイエムはモーツァルトの最後の作品で、病床で最後の力をふりしぼりながら作曲していましたが、1791年12月5日『怒りの日』の章の9章節目、「涙の日」(ラクリモーサ)の8小節目まで自筆で書き、息を引き取りました。その後弟子のジュースマイヤーによって補筆、完成されたもので、曲は8章14曲から構成されています。
1.レクイエム 2.キリエ 3.読誦(T怒りの日・U不思議なラッパ・Vみいつの大王・W思い給え、X呪われた者どもは・Y涙の日) 4.奉献文(T・U) 5.聖なるかな、 6.ほむべきかな、 7.神の小羊8.聖体排領誦(永遠の光を)、となっています。演奏には独唱者4名、混声4部合唱とオルガンを伴ったオーケストラが必要です。フルート、オーボエ、クラリネット、ホルンは用いられていない代わりに、バセット・ホルンという今ではほとんど廃れてしまった楽器が含まれており、これは普通クラリネットで代用されます。
初演は1793年12月14日、ウィーンのノイシュタットの教会で行われました。
この教会音楽一曲だけでもモーツアルトの名を永遠なものにするに違いない名曲といわれています。その中でも、Dies irae(怒りの日)は前奏もなく、いきなり冒頭から合唱と全管弦楽で、激しい怒りの日の有様が歌われる、とてもドラマティックな楽章です。
レクイエム(モーツァルト)より「涙の日」
死者のためのミサ曲「レクイエム」 ニ短調 K..626より
Lacrimosa (涙の日)
1791年7月のある日、モーツァルトは『灰色の服を着て異様な風采の男』の来訪を受けレクイエムを依頼する手紙を受け取ったといわれています。この依頼により彼は作曲に取りかかりますが、このLacrimosaの執筆途中でついに筆を折ります。死の直前の12月4日にモーツァルトはジュースマイヤーを枕元に呼んで、レクイエムについて細かく指示を与えました。病床で、その4重唱をモーツァルトも加わって見舞いにきた友人と共に歌い、感動のあまり、自ら涙にむせびながらその楽譜を閉じたと言われています。そして12月5日0時55分、彼はその短い生涯を終えました。
3. クリスマスソングメドレーT
山の中の小さな教会の静かなクリスマスにご招待しましょう。教会の鐘が鳴り、何所からともなく素朴な美しいオルガンの音が聞こえてきます。子供達も少しずつ教会に集まって来ました。いつのまにか外には真っ白な雪が降り積もり、清らかな歌声と共に、クリスマスの礼拝が始まります。森の動物達も、静かに耳を傾けています。「荒野の果てに」「もろびとこぞりて」「アベマリア」の3曲をメドレーでお聴きください。
4.きよしこの夜
原曲は「Stille Nacht」。ヨゼフ・モーア作詞、フランツ・グルーバー作曲のオーストリアの歌です。ドイツ語で書かれていましたが、世界中の300を越える言語に訳され、クリスマスのお馴染みの曲として親しまれています。この曲は今も謎に包まれている部分が多いのですが、ユニークで美しいエピソードを一つ紹介します。
<1818年のクリスマスの数日前、オーストリアのザルツブルグ近郊のオーバンドルフという、小さな村の出来事でした。牧師ヨゼフは、礼拝に備えて賛美歌の練習をしようと、教会を訪れました。ところが何とネズミが、パイプオルガンのパイプに穴をあけてしまい、全く音が出ません。雪も深く、今となっては修理を頼む時間もないので、困ったヨゼフは、親友のギター仲間で作曲家でもあるフランツ・グルーバーに相談しました。そしてほぼ即興でヨゼフが詞を書き、グルーバーが曲をつけて、クリスマス礼拝の当日演奏しました。村人たちは、最初は驚きましたが、そのすばらしいギターの演奏と歌にうっとりしました。それから、小さな村で生まれたこの曲は、賛美歌109番として、世界的に有名なクリスマスソングとなりました。>
この心温まるお話を、いつまでも語り継ぎたいものですね。
5.メリー・リトル・クリスマス
"Have Yourself a Merry Christmas"
ジュディー・ガーランドが主演した1944年の、ミュージカル映画「若草の頃」から生まれたクリスマス曲です。 後にF.シナトラが、映画「勝利者」の中で歌いそれからクリスマスソングの定番になりました。
今回は、アンドレ・ギャニオンの"Noel"風、静かでしっとりとしたメリー・リトル・クリスマをお楽しみいただきます。 ”Noel”「雪の祈り」は、季節を意識させないようなクリスマスソングアルバムを作りたいという彼の思いを込めて製作されたものです。真っ白な一面の雪に包まれたカナダのクリスマス、暖かくてやさしい家族団欒の雰囲気、そのような情景をイメージして作られたもので、プラハ・シンフォニック・オーケストラとの共演により出来上がった名盤の一つです。美しい幻想的なNoelの世界へとお誘い致します。
6.クリスマスソングメドレーU
フローラのメンバーの一人が数年前に、イギリスのとある街でクリスマスを迎えました。そこの大聖堂でのクリスマス礼拝は神聖な雰囲気と共に荘厳なパイプオルガンと清らかな聖歌隊の調べに身も心も包みこまれ、大変感動的なものでした。そのときの清らかな感動を、もう一度フローラの演奏で再現できたら…との思いをこめて、4曲メドレーで演奏いたします。どうぞ大聖堂の荘厳なクリスマスキャロルの雰囲気にひたってみてください…。
Oh ! Holly Night
(オー!ホーリーナイト)
A Maiden Most Gentle
(やさしい乙女:マリア様 をたたえた曲)
In Dulchi Jubilo
(甘い喜び: キリスト誕生を祝う曲)
Adeste Fideles
(信者の集い:神の御子という題名でも有名
7.花のワルツ
チャイコフスキー作曲
バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71a
チャイコフスキー作曲の3大バレエ組曲といえば「白鳥の湖」「眠れる森の美女」そしてこの「くるみ割り人形」があげられます。この曲はドイツ・ロマン派の作家ホフマンの幻想的童話が元になっています。本来のバレエ音楽の中から演奏会用にチャイコフスキー自身が8曲を選び、演奏会用組曲として1892年にペテルグルグで初演され、大成功を収めました。バレエよりも先に演奏会が行われることはとても珍しいことでしたが、その曲の素晴らしさは感動を呼び、アンコールを求められるほどでした。今日ではクリスマスになると世界中で「くるみ割り人形」のバレエ公演が行われています。演奏会用の8曲のプログラムの中で、最後のフィナーレを飾るのがこの「花のワルツ」です。この曲はディズニー映画「ファンタジア」のなかでも使われていて、華やかで美しく、聞く人の心もやさしく包み込みます。
8.「インディージョーンズ」より レイダースマーチ
インディ・ジョーンズ シリーズとは、架空の考古学者インディアナ・ジョーンズを主人公とした冒険を描く映画、ドラマ、小説シリーズと、それを基にした一群のフィクション「インディアナ・ジョーンズ
シリーズ」(Indiana Jones series) の、日本における名称です。「インディ」は「インディアナ」を略した通称ですが、日本ではこれが一般に定着したようです。
映画としては今までに4つのシリーズが公開されました。
「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」エピソード24(1981年)
「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」エピソード23(1984年)
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」エピソード25(1989年)
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」エピソード26(2008年)
プロデューサーのフランク・マーシャルによると、最後の「クリスタル・スカルの王国」は前作の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年後の1957年が舞台となっており、『最後の聖戦』は1989年製作で、現実でも実際に19年が経っていることになります
ハリソン・フォードは毎回インディアナ・ジョーンズ役で出演、監督スティーヴン・スピルバーグ、製作総指揮ジョージ・ルーカス、音楽ジョン・ウィリアムズ、製作フランク・マーシャル、音響効果のベン・バート、編集のマイケル・カーンと、シリーズの主要スタッフは変わっていません。東京ディズニーシーには、アトラクション「インディジョーンズアドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」があり、相変わらずの大人気!
誰もが20年以上も変わらないテーマ曲「レイダースマーチ」を聴くと、思わず冒険の旅に出発したくなってしまうのです
9.見上げてごらん夜の星を
作詞:永六輔 作曲:いずみたく
1960年に大阪労音が制作・公演したミュージカル「見上げてごらん夜の星を」の劇中主題歌でしたが、1963年に、この主題歌を坂本九がシングルレコードとしてリリースし、大ヒット作となりました。坂本九が日航機事故で亡くなってからは、多くのアーティストによってカバーされています。現在は、特に東日本大震災の復興ソングとして、坂本九の他の曲と共に、さらに多く歌われています。私達も美しい「ふるさと」日本の早い復興を祈りながら、心をこめて演奏致します。
10. トリッチ・トラッチ・ポルカ
ヨハン・シュトラウスU世の数あるポルカの中でも、最も有名な曲です。1858年にパヴロフスク遠征の大成功の際に、作曲されました。題名の「トリッチ・トラッチ」とは、「ぺちゃくちゃおしゃべり」というような意味で、曲中では、女性達がにぎやかにおしゃべりをする騒がしい様子が、ユーモラスに表現されています。ポルカとは「ポーランド娘」を意味しますが、1830年頃ボヘミヤ地方から広まった2拍子の軽快な民族舞曲で、19世紀な中ごろから貴族のサロン等でも踊られていました。陽気で元気のよい曲なので、運動会でもよくこの曲が使われています。さあ!今日は皆さんも御一緒に、走ってみませんか!
11.アヴェマリア(カッチーニ)
G..カッチーニ(Giulio Caccini)
アヴェマリアの曲は様々の作曲家が趣向を凝らして作っていますが、中でもシューベルト、グノー、カッチーニの作品が「三大アヴェマリア」と称され、親しまれています。
カッチーニはフィレンツェのメディチ家の宮廷に従事し、テノール歌手として働きながら、作曲活動を続けていたといわれます。この曲の歌詞は、「アヴェマリア」のみです。それゆえにいっそうこの美しいメロディーが浮き立って聞こえてくるのでしょう。聴くたびに気持ちが癒され、心の中まで清らかに透明になっていくような気がします。
12.リベルタンゴ
タンゴの巨匠といわれるピアソラの作品を、現代最高のチェリストといわれる ヨーヨー・マが、ピアソラゆかりのタンギスト達と共に奏でたリベルタンゴが、テレビのC.M..で流れたのをきっかけに、タンゴブームに火がつきました。
「リベルタ」とは自由という意味で、ブエノスアイレスでの活動に限界を感じていたピアソラが単身イタリアに渡リ、そのとき自分の中からあふれ出て来る新しいエネルギーを感じながら作曲した曲なので、このタイトルがつきました。もとは下層階級の.ダンス音楽だったタンゴは今世紀初めにパリの人々に受け入れらた事で、ブエノスアイレスでも上流階級の物となっていきました。そして1955年以降、アストル・ピアソラが新しい活力を吹き込み、踊るタンゴから聴くタンゴへと、新しい流れを作っていきました。
現在では著名なアーチスト達にタンゴは幅広く受け入れられ、ピアソラの作品も多く演奏されるようになりました。今回もタンゴのリズムにのって、チェロ、ピアノ、ギター、バンドネオンなどの音色の掛け合いをお楽しみいただきます.。 ブエノスアイレスのほの暗いダンスフロアーで、男女が愛情、夢、苦しみなどを激しいリズムにぶつけ合いながら、情熱的に踊っている、そんなノスタルジックな光景を思い浮かべながらお聴きください。
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